各位におきましては、日頃から本会の運営、事業及び発展に関しまして多大のご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、本会は会員各位の優れた技能・技術と世界一とたたえられる在来工法により、日本の気候風土に最も適している木造建築物を歴史とともに造り上げてまいりました。その結果、わが国唯一の伝統ある建築大工業界の中核として高い評価を得るに至っておりますことは、誠に喜ばしい限りであります。
しかしながら、一方では建築大工就業者の高齢化、技能の低下や若年後継者の指導・育成問題等のほか、都市化と高層化による木造建築の減少など、建築大工業界を取り巻く環境は予断を許さない状況にあります。
ものづくりの原点である「在来工法による木造建築づくり」の振興は、我々建築大工の責任であり、後世に伝承しなければならない義務でもあります。
思えば 、大工(おおきたくみ)は大和時代の西暦701年に制定された我が国初の法律である大宝律令の中で、技術系官位の最高位の役職名でした。その後、奈良・平安時代の480年の間に先輩たちが技能・技術の技と知識を身につけ、その苦労の末に匠(たくみ)の文字が生まれたもので、優れて立派な名工良工は匠として尊敬され、名を残してきました。
本会では、この歴史を背景に、ものづくり・木造建築づくりの振興を目指してここに大匠棟梁(おおたくみとうりょう)の尊称称号を新たに制定して、受けるにふさわしい会員に認定証を授与し、もってご本人はもとより本会発展への礎とすることといたしました。
なお、認定証授与者は自動的に私が委員長を務めている第3専門委員会の「大工さんセンター」のホームページに掲載(無料)するほか、認定者の広報宣伝、その他に意を尽くすこととしておりますので、奮って申請申し込み下さるようお願いいたします。
認定証はA3版の大きさで、建築大工と規矩術の神様と崇拝されている「さしがねを持ったカラーの聖徳太子像」が背景に刷り込まれています。「大匠棟梁」登録認定証は、ものづくりの誇りと事業への自信と活力のシンボルです。