一般社団法人 日本建築大工技能士会
会 長 関 野 美三夫
平成30年の新年を迎え、衷心よりお慶び申し上げます。併せて皆様のご健康とご繁栄をご祈念申し上げ、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。また、平素から関係各位の皆様には、本会の運営並びに事業活動に対しまして、温かいご理解、ご支援、ご協力を賜り、深く感謝申し上げ厚く御礼申し上げます。
さて、本会は昭和39年11月25日に創立されて半世紀が過ぎました。創立当時を顧みますと、住宅建築資材を始め、あらゆる物資が不足しており、高度経済成長期と重なり大工・工務店業界も最盛期であったと記憶しております。しかし、その物資不足も徐々に克服され、木造住宅においてもいまでは空家対策に悩む状況となっております。また、一方ではではコンピューターの普及に伴い、新築在来軸組工法はプレカット工法の進化により、若年大工後継者への技能伝承実践の場が失われ、高度な手仕事の技能、技術の継承が困難となっております。
これ等を踏まえ、会員の皆様方にはこの問題点と現状を把握し、真剣に受け止めて頂き、技能、技術の継承と後継者の指導育成にご尽力賜りますようお願い申し上げる次第であります。なお、本会では平成17年に「大匠棟梁」認定制度と「大工さんセンター」のインターネット事業を融合させ、時代に相応しい建築大工技能士像の確立に努力しているところでありますが、ものづくりを原点とする日本古来の伝統文化であり世界に誇る木造在来軸組工法を継承し、後世に残し伝え、ものづくりの職分を充分に自覚して一人一人が能力を発揮し、より良い木造建築の振興事業に一致団結して住宅産業の発展を通じて我が国の経済の進展と消費者の住生活及び文化の向上に寄与してまいりたいと存じます。
以上の事柄を踏まえ、来る10月10日、11日の両日にかけて有馬温泉・兵衛、向陽閣で開催いたします第5回日本の世界文化遺産、姫路城巡り全国研修大会には万障お繰り合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶といたします。